西武池袋ルイヴィトン2012新作財布
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null「あの……失礼ですけど、それはご主人の同意も得られていますか?」 「ええ……まあ……」 「あの……理由は?」 「経済的理由です」  女は慣れた感じでそう言った。  日本では基本的に中絶は禁止されている。ただし、母体保護法は『妊娠・出産が身体的または経済的理由で母体の健康を著しく損なう』場合、または、『暴力・脅迫などによるセックスでの妊娠』については例外を認めている。この国でもっとも多い中絶理由は避妊の失敗によるものなのだが、たいがいはそれを、『経済的理由』という母体保護法の条件を拡大解釈して中絶を行っているのだ。 「以前に中絶した時、何かトラブルはありましたか?」 「別に……何もありませんでした」  僕は手にした書類を机の上に置き、再び女の貧相な顔に視線を戻す。 「ご存じだと思いますが、何度も中絶を繰り返すのは体によくないんですよ。ちゃんと避妊はしていますか?」 「ええ……まあ……でも、夫がコンドームは嫌だって言うんで……つい……」  女はアイラインとマスカラで精一杯大きくした細い目で、上目遣いに僕を見つめる。 「そうですか? だけど、そう何度も中絶を繰り返すと、欲しい時に赤ちゃんが産めなくなる可能性がありますよ」 「あ、それなら大丈夫。もう子供は欲しくないんです。子供なんてひとりだけで、もう充分ですから」  自慢らしい金髪をかき上げて女が笑う。 「わかりました。それでは、手術はいつにしましょうか?」  しかたなく僕は言う。「当院では手術の前日に1日入院していただくことになってるんですが……」 「その入院は絶対に必要なの?」